技術
棚画像の値札から価額情報等を読み取るタスクにおいて、様々な種類の棚画像・値札が存在します。また、棚画像に対して値札の文字が非常に小さく、1つの棚画像に大量の値札が映り込む場合があります。さらに、値札の価格の文字の解像度が低かったり、値札が傾いたり障害物によって見えなくなる場合もあり、これらの悪条件に対応したAIを作成する必要があります。
値札の検出、価額認識、出力の3段階からなるAIモデルを開発。まず棚画像から値札領域を見つけ、次に値札領域から数値領域を見つけ、最後に数値領域の数字を読み取ります。これにより、棚画像に対して価額の数字が非常に小さい問題や、1つの棚画像に大量の値札が映り込む問題を解決します。
最新の物体検出AI技術を採用することで、様々な形状や大きさの値札を漏れなく検出します。例えば、従来のシステムでは見落としがちだった小さな値札や、棚の端に少しだけ映り込んだ値札なども正確に検出できます。これにより、店舗での価格確認の精度が大幅に向上します。
検出された値札から価格を読み取る際には、高度な文字認識技術を使用します。この技術により、手書きの値札や、少し傾いた値札、一部が隠れた値札からでも正確に価格を読み取ることができます。さらに、税込価格や税抜価格など、複数の価格情報も適切に識別します。
本システムは、50個程度の値札が写った棚画像を約2.5秒で処理できます。これは、実際の店舗での利用を想定した十分な速度です。例えば、閉店後に店内の全ての棚を撮影し、翌朝までに全ての価格情報をチェックすることが可能になります。
本システムの導入により、外観検査と数え上げ作業の完全自動化が可能です。AIカメラの活用で検品ミスを大幅に削減し、品質の向上と人件費の大幅な削減を同時に実現しました。高速カメラの導入や最適な照明環境の設計など、ハードウェアとソフトウェアの両面から最適化を進めた結果、実用的な検査速度と高い検査精度の両立を実現しました。